人を落ち着かせる力のある媒体はそれゆえに人を熱狂させられません

面白い本を紹介して視聴者の積ん読を増やすというコンセプトのYouTubeチャンネルが面白かった。

映画や漫画やゲームについて話している人よりも、なぜか本を語っている人に惹かれてしまう。他に比べ特に本が好きなわけではない。本の要約チャンネルだとかファストなんちゃらみたいなのにも惹かれない。多分、本について話しているときの落ち着いた雰囲気が好きなのだと思う。本という媒体自体に何かそういう力がある。図書館や本屋は総じて落ち着いた雰囲気をしている。映画館やゲーム屋が落ち着いた雰囲気であることはあまりない。

本が売れなくなる、あるいは電子化されるということは、街から落ち着いた雰囲気の空間が減ることを意味する。それを食い止めようだなんて意志はない。でも不思議だとは思う。本と宗教とアートだけが街の中に落ち着いた場所を作り出す。どうして。近代に生まれたコンテンツには、なぜそういう力が宿らないのか?